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ニュース・フラッシュ

2008年9月17日 ロンドン 及川 洋

ヨルダン:フランスとの原子力分野での協力に合意

 8月28日、訪仏中のAbdullah 2世ヨルダン国王とSarközy仏大統領により、仏・ヨルダンの民生用原子力の平和利用に関する協定が署名された。あわせて、仏Areva社とJordan Atomic Energy Commission(ヨルダン原子力委員会)との間でヨルダンにおけるウラン探査を含む原子力分野での協力に関する覚書が締結された。
 ヨルダンは、エネルギー資源の95%を輸入に依存しており、最近のエネルギー価格高等が財政的にも国内経済的にも大きな負担となっている。このため、Abdullah国王のイニシアティブの下、国内資源であるウランを活用した原子力発電の導入のための体制整備とともに、諸外国との間でも協力関係構築が図られてきている。
 ヨルダンは、既に仏のほか、米国、中国とも政府間での協力関係を作っており、韓国とも同様の関係作りが進められている。
 ヨルダン政府は、早ければ2016年にも原子力発電を開始する計画を有しており、発電所建設の入札が2008年末にも行われるとの報道もなされている。かかる入札には、仏のほかカナダ、韓国も関心を示しているという。
 他方、ウラン上流開発に関しては、ヨルダンはウラン鉱床として140,000tの埋蔵量と、これに加え59,000tのリン鉱石の随伴としてのウランが賦存しているといわれ、今回の仏Areva社との覚書では、同社が今後ヨルダンのウラン鉱床の探査を実施していくことが盛り込まれている。具体的な探査にかかる契約は2008年9月中にも締結される見込みとされている。

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