閉じる

ニュース・フラッシュ

2008年10月21日 シドニー 原田富雄

豪:資源価格の下落はBHP Billitonにとって追い風

 Rio Tintoは、資源価格の下落と、予測以上の中国需要の落込みにより、市場の信頼が取戻されるまでの間は幾つかのプロジェクトを見直さなければならないとしている(10月15日発表の第3四半期生産報告による)。
 これを受け、10月16日のASXにおけるRio Tintoの株価は、1987年来最大の1日の下げ幅を記録した。2008年5月19日のRio Tintoの株価は156.10A$であったが、この日12.49A$(16%)下げて66.01A$となった。BHP Billitonも同様で、5月19日に49.55A$を付けていたが、3.90A$(13%)下げて23.75A$となった。
 こうした株価の動きはBHP BillitonによるRio Tinto買収にも影響している。2008年2月に買収が発表された時点で、Rio Tinto 1株に対してBHP Billiton 3.4株を割当てるものであったが、株価変動により、現在はRio Tinto 1株に対してBHP Billiton 2.56株の割当相当となり、当初提示された割当量に対して33%のプレミアムが付いたことを意味している。アナリストは、2009年初頭に予定されるEC委員会の判断を待たずとも、プレミアム上乗せによりRio Tintoの株主に余剰価値が生まれることで、BHP Billitonの買収が容易になると予想している。

ページトップへ