ニュース・フラッシュ
2009年3月4日
リマ
西川信康
ペルー:土砂崩れが鉱山キャンプ地を直撃、死傷者多数発生
業界紙等によると、3月2日早朝、Puno県Carabaya郡のSanta Teresa山で豪雨による土砂崩れが発生、麓のItuata村Winchumayo鉱山キャンプ地を直撃し、多数の死傷者・行方不明者が発生した。現在までに2歳の子供や10代の若者を含む10名の遺体が発見されたほか、怪我人7名、行方不明者は22名となっている。
被災地はアンデス山脈とアマゾン熱帯地域の境界に位置しており、金採掘に従事する50世帯400人の住民らが生活するWinchumayo鉱山キャンプ場。夏季休暇を利用して鉱山労働に参加していた多数の未成年者が被災したが、CuscoやPunoから14時間という遠隔地の上、道路も土砂崩れによって封鎖されていることから、空路が唯一の交通手段であり、豪雨がやまないことも救援の遅れを助長している。
Winchumayo鉱山は、08年末からエネルギー鉱山省の合法化プログラムに参加し、不法金採掘集団を脱して法人としての再生をスタートしたばかりだった。
Carabaya郡のRosell郡知事は、同地域の住民らは極貧層であり、危険を知りながらも唯一の収入手段である不法採掘への参加を余儀なくされているとした。また、多くの未成年者が低賃金労働者として採掘に従事していることを明らかにした。
今回の災害の原因は、採掘者らが坑道の支柱用に多くの樹木を伐採したことが被害を拡大させたとし、天災ではなく、人災であり、今後類似の災害が他の場所でも発生する危険性があるとの指摘もある。
ペルーには、金を中心とした不法採掘労働者が約10万人存在すると言われており、その大部分がPuno県、Madre de Dios県、Ica県、Piura県に集中している。
