ニュース・フラッシュ
2009年3月9日
バンクーバー
大野隆幸
加:政府、Vale Incoの雇用削減計画を再調査
2009年3月3日、ニッケル最大手のVale Inco(以下、同社)は、カナダON州Sudburyにおける261人の臨時社員を含む、423人を削減する計画を発表した。同社の広報責任者は「今回の削減計画は、2006年に作成された「3年間社員を削減しない」という労働人口レベルを維持するための公約に反するものではなく、当社の事業経営実績を見ると、この削減の後でさえ2006年10月のInco社買収時より700人も多くの従業員を抱えていることになる。当社はカナダ政府及びカナダ国民に対して十分にその公約を果たしていると考えている」と述べた。
他方、この日の発表に対してカナダ連邦政府のTony Clement産業大臣は、午後の国会において、「同社の計画に対して我々は注意深く状況を見ている。同社のInvestment Canada Act(カナダ投資法)の規定がどのように同社と関連しているかについて、再調査している。同社がカナダ政府及びカナダ国民に対して行った公約に対し敬意が払われることを期待している」と述べた。
金属価格の急落により同社は、2008年12月に世界規模で1,300人の雇用削減及び生産量削減を発表するに至った。ニッケルの1lb当りの価格は、世界的景気後退のため、2007年5月の過去最高の24US$から5US$を下回るまでに下落している。同社のニッケル部門では、今回の削減発表前の段階で、カナダ国内の5,500人を含めて、世界全体で14,000人を雇用している。
