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ニュース・フラッシュ

2009年7月2日 リマ 山内英生

ペルー:Tacna県、鉱業カノン税還元額を不服として憲法裁判所へ

 Tacna県は、2008年末の鉱業カノン税改正及び2009年度の同県に対する鉱業カノン税還元額は無効であるとして憲法裁判所へ訴える計画を明らかにした。
 鉱業カノン税とは、鉱山会社が納付する所得税の50%を鉱山が存在する地域へ還元する制度であるが、2008年末にカノン税法が改正され、複数の県で操業を行う鉱山企業の場合は会計を鉱山毎に個別化し、この会計報告を基にカノン税の配分を行うことになった。
 改正前のカノン税法では、粗鉱量の割合でカノン税還元率を算出していたため、精鉱の生産量がほぼ同じであるにも拘らず隣県(Tacna県の場合、Moquegua県)でカノン税還元額に約3倍の開きが発生していた不公平性を解消することが、改正の理由であった。この法改正に基づき、2009年7月半ばに還元されるカノン税の配分はMoquegua県が55.6%に相当するSoles(126百万US$)、Tacna県が44.4%に相当するSoles(101百万US$)の見通しとなっているが、前年度比較でMoquegua県はカノン税収が2倍になった一方、Tacna県は半減する結果となった。
 このような状況について、Tacna県知事は法的措置を講じるとしたほか、Tacna県市町長連合代表は、法改正は違憲であり、憲法裁判所へ訴える旨を明らかにしている。
 なお、両県に対する鉱業カノン税還元は、Moquegua県がCuajone銅山、Tacna県がToquepala銅山に由来するもので、いずれもSouthern Copper社が操業している。

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