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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム レアメタル
2009年8月4日 ロンドン フレンチ香織

英・ポルトガル:日産自動車、英国及びポルトガルに大規模なリチウムイオン電池工場を建設

 日産自動車は20日、電気自動車向けの高性能リチウムイオン電池の生産工場を、英国及びポルトガルの欧州2拠点に建設すると発表した。報道によれば、英国北東部のSunderlandに200百万£(330百万US$)を投資し、350名の新規雇用を予定している。また、ポルトガル(工場建設予定地は検討中)には250百万(355百万US$)で新規200名の新規雇用が予想されている。なお、両工場での高性能リチウムイオン電池の生産能力は年間6万個とされ、ルノー・日産アライアンスが生産する電気自動車向けとなる。グリーン技術及び雇用促進から、両国政府は両工場施設に財政支援等を提供することが期待され、環境技術開発などで包括提携しているルノーとの『欧州でのゼロ・エミッションモビリティ推進』に対しても、大きな貢献となると予想される。
 英国のSunderlandが選ばれた理由は、日産の自動車生産工場があることと、同地が「低炭素経済地域」の中核になることが期待されているからである。なお、欧州トヨタは7月17日、同社欧州初のハイブリッド車である小型車『オーリス』を英国工場(Derbyshire州)で生産し、2010年の半ばに欧州市場へ投入することを発表している。
 ポルトガルでは、日産とルノーは、2010年からゼロ・エミッションモビリティ計画を実施することを合意している。よって、本計画の一環として、2011年春にポルトガルでの電気自動車の販売を目標とし、それを機に、同国政府がその後2年間で1,300か所の充電ステーションを設置することを計画している。なお、業界紙によれば、日産とルノーの提携によって、ポルトガルは、日本に次ぐ高性能リチウムイオン電池の大規模な市場となるとし、排出規制の強い欧州では今後も自動車向けのリチウム需要の増加が予想されている。

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