ニュース・フラッシュ
2009年8月23日
ロンドン
萩原崇弘
露:水力発電所事故によりRusalのアルミ年産量は50万t減産へ
報道によれば、8月17日にシベリア南部に位置するロシア最大の水力発電所Sayano-Shushuenskayaで発生した事故により、アルミ世界最大手UC Rusalのアルミ年産量は50万t減となる見通しである。
事故の原因は調査中であるが、同発電所の発電量は3.5GW、発電設備10機の内、4機が破損しており、被害総額は数百ルーブル、完全復旧には数年を要す模様である。
同発電所から電力供給を受けているUC RusalのSyanogorsk(537千t/年)とKhakas(300千t/年)のアルミ製錬所は、現状ではその他地域の発電所から短期的に電力供給を得て操業を続けている。しかし、これらアルミ製錬所では同発電所からの70%の電力を受電しており、一般に対する需要供給枠が増加する冬場に向けて、復旧のため今後、発電量は抑制される予定である。
同社の2008年のアルミ生産量は4,400千t(世界合計は39,832千t(WMS,2009Aug))、2009年H1は1,980千tであり、500千t減は同社の年産量の11%(世界全体の1%強)に相当する。
なお、この事故によりUC Rusalが参画して建設中のBoguchansk水力発電所(3,000MW)とアルミ製錬所(600千t/年)の建設が急がれるところである。
