ニュース・フラッシュ
2009年9月8日
サンティアゴ
大野克久
チリ:今後のモリブデン価格は中国の在庫動向次第
9月2日付けMolyExp(本社:Santiago)発表によると、最近のモリブデン価格上昇は景気回復によるものではなく、2009年Q1に中国におけるモリブデン在庫積増し拡大によるものである。
中国の2009年H1モリブデン在庫量はチリの2008年モリブデン生産量(33.7千t)に匹敵し、チリの中国向けモリブデン精鉱(未焙焼)の、2008年H1の輸出実績は50 tであったが、2009年H1輸出量は10,838 tで、全輸出量27,197 tの39.8%を占めた。
モリブデン市場において、中国は世界最大の生産者として位置付けられており、2008年には25,000千lb(11.2千t)を輸出したが、2009年H1には、一転して35,000千lb(15.6千t)輸入し、世界の過剰在庫を全て吸収した格好となっている。
結果として、西側諸国のモリブデン消費量は、2008年同期比で40%減少しているにも拘わらず、モリブデン需給はタイト感を増し、2009年4月から8月にかけて価格が約2倍(平均 8.2 US$/lb→平均18.0 US$/lb)上昇した。
将来のモリブデン価格については中国の在庫動向次第であり、今後3四半期程度は価格の不安定要因として大きいと見られる。
今後のモリブデン価格について、20~30 US$/lbまで上昇するとは言い難く、10 US$/lb以下になることもあり得るとしている。

図. 国別・月別チリモリブデン精鉱(未焙焼)輸出割合及び酸化モリブデン価格推移
※JOGMECサンティアゴ事務所作成(表中の単位はt、価格はUS$/lb)


