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英:MMTA会員、LMEコバルト・モリブデン取引の開始に懸念
2009年9月9日のWoman in Miningセミナー(主催MMTA*)ににおいて、MMTA会員企業Lambert Metals Int’l社Howard Masters氏は、LMEのコバルト・モリブデン取引の開始(2010年2月22日予定)に関し、以下の点に危惧していると講演した。
・従来、マイナーメタル(日本では”レアメタル”)の価格決定は売手と買手間の電話による相対取引で、価格決定は内密に行われてきた。また、本取引はMetal Bulletinの発表価格にもあまり反映されていなかった。
・今後はLMEの価格決定が基準となる可能性がある。LME取引により投資家の買いが増加し、価格変動が増長される。
・マイナーメタルの資源量は小さいにも拘らず、供給側へプレッシャーが高まる。
・LME取引の他のメタルに比べて市場が小さいために売上高が低く、LME市場には向いていない。
MMTAは1973年に設立され、約30年間の歴史でマイナーメタル産業界の貿易/ビジネスに係る規範の調和を図ってきた。設立当初は”Sardine Business”と呼ばれる程、価格も低く、市場も”Minor”であったが、今日ではIT産業及び自動車産業の科学技術の発展によって需要が急増し、コバルト・モリブデンに関しては、LME取引の開始で取引量の拡大が予想されている。これまでに定着してきたマイナーメタル取引に大きく影響を及ぼし、MMTA会員は従来のMMTA規範が変化するのではないかと懸念しているとした。
*注)MMTA:Minor Metals Trade Associationの略で、本連盟の主な目的は、マイナーメタル産業界の貿易/ビジネスに係る規範の調和、マイナーメタル産業界のロビー活動、産業界での情報交換場である。MMTAは北米、アジア、欧州などの世界各国の生産者から消費者、トレーダー等の代表が集まり、30か国から会員企業の120社によって構成されている。Johnson MattheyやKGHMを含め、日本企業では、英国三菱商事や株式会社アラ商会が会員となっている。(MMTAの公式HPを参照)
