ニュース・フラッシュ
2009年9月15日
シドニー
原田富雄
中国:広東核電集団公司、豪ウラン・ジュニアを買収
2009年9月8日、豪ウラン・ジュニアのEnergy Metals社(本社:WA州Perth)は、China Guangdong Nuclear Power Holding Company (中国広東核電集団、以下CNGNPC)から85百万A$で 70% の株式を取得する買収提案を受けたことを明らかにした。CNGNPCは、Energy Metals社の株式を1.02 A$/株で買収するとしており、これは8月26日時点のASX(豪州証券取引所)での株価に対して19%、それまでの3か月平均に対して60%のプレミアムが付いた提案となっている。
CNGNPCは、1994年に設立され、資産総額160億US$(内、純資産額50億US$)の中国国営企業で、中国国内に4基の原子力発電所(4,000MW)を有している。同社は、今後20,000MWまで発電能力を高める計画を有しており、今後のエネルギー供給の観点からウラン資源の潤沢な豪州のウラン開発に乗り出したものと考えられる。
一方、Energy Metals社はNT州、WA州併せて8か所でウラン探鉱を行っているが、ウラン価格の低迷による資金繰りの悪化から、Pakadin Energy社の子会社とのJVであるNT州Biglyiプロジェクト〔Pakadin Energy社の子会社とのJVであるNT州Biglyiプロジェクトにおける酸化ウラン資源量(2009年5月時点)は、20.6百万£(Cut-off品位: 500ppm)と発表〕等に対して日本や中国に投資を呼び掛けていた。これに中国が呼応したものと見られる。
なお、買収に当っては、FIRB(豪外国投資審査委員会)、中国規制当局の承認が必要としている。
