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ニュース・フラッシュ

2009年10月16日 ロンドン フレンチ香織

ギニア:鉱業大臣、中国がギニアに70~90億US$相当の投資を検討中と発表

 ギニアのMahmoud Thiam鉱業相は、10月13日、中国がギニアの鉱業インフラ設備、道路、住宅、電気及び道路網の建設、そして飲料水の浄化に70~90億US$相当の投融資を検討していると述べた。報道によれば、中国側は既に電力設備2基(50MW、30MW)の建設を開始するためにギニア中央銀行に150百万US$を送金しているほか、中国とギニアは同国沖での石油探鉱JVプロジェクトも既に形成している。同国鉱業セクターは同国における輸出収支全体の90%を占めているため、「中国の投資プロジェクトは、同国の経済成長にとって重要になる」とThiam鉱山相は述べた。
 現状、ギニアでは2008年12月の政権交代により、鉱業投資家に大きな懸念を与えている。2008年12月23日にLansana Conte前大統領が他界して以来、Moussa Dadis Camara率いるJunta軍事政権が主導を握り、Junta政権は前政府が承認した鉱業権の見直しを開始した。報道によれば、2009年7月、Rio TintoのSimandou鉄鉱石プロジェクトの鉱区の北半分がイスラエル系Beny Steinmetz社に突然の通達で譲渡された。また、ギニア裁判所(一審)は2009年9月10日、2006年に締結されたギニア政府とUC Rusal(露)とのFriguiaアルミナ精錬所の売買契約を取消す判決を下した。その後、10月15日の報道では、ギニア政府はUC Rusalに対して、未納税などの理由から10億US$の追徴金を要請し、10月19日の週にパリで話し合いが行われる予定である。
 また、国内の治安も悪化しており、2009年9月28日、野党デモ隊の少なくとも130人が治安部隊に射殺されたと国連から報じられた。同事件から、フランス外務省は10月16日、同国渡航を警告したほか、米国、欧州、国連も経済制裁を暗示している。
 USGSによれば、ギニアのボーキサイト埋蔵量は世界の約27%が推定されているが、現在は世界のボーキサイト生産8.8%のみで、今後も開発の余地があるとされている。また、同国は高品位とされる鉄鉱石、金、ダイアモンド、ウランのポテンシャルが在るとされている。現状は、Junta政権の鉱山企業等との法的総論がどのように決着するのか予想できず、また、国政悪化のなかの中国のギニアへの融資の行方も定かではない。

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