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グリーンランド:2010年1月1日、新鉱物資源法を制定
グリーンランドの鉱物・石油局(Bureau of Minerals and Petroleum、以下BMP)によれば、2010年1月1日より、新鉱物資源法(Act on Mineral Resources)が制定される予定である。従来、グリーンランドでの鉱業権は、デンマーク及びグリーンランドの共同委員会によって承認され、デンマークから受領されていた。しかしながら、新法の制定後は、2009年6月21日に制定されたグリーンランド自治法(Act on Greenland Sef-Government、※自治権拡大)に基づいて、共同委員会は解散され、今後は鉱業ライセンスの全ての管理責任がデンマークからグリーンランド自治体に移譲されることとなる。なお、BMPによれば、近日英訳を公開するとのこと。
2009年11月26日の地元報道によれば、新鉱物資源法は、地元住民の小規模な鉱石採掘についても、鉱業権を求めているため、大規模・小規模の採掘条件の区別等の詳細決定において、地元利害関係者より抗議が出ていた。また、グリーンランドでの海外探鉱企業は、2010年内の同国でのウラン探鉱・採掘の解禁を期待するが、BMPによれば、本件に関しては新法でも禁止のままで、2010年にも議会で討議される予定である。
なお、2008~2009年におけるデンマーク政府からの助成金は700百万US$で、これはグリーンランド政府歳入の約60%を占めていた。また、同国の主な財政収入は、水産加工品の輸出である。同国の探鉱企業によれば、グリーンランドの地元住民は、グリーンピースによって捕鯨が禁止されて以来、漁業が低迷しているため、同国の原油を含む天然資源の開発によって、雇用機会の増加を期待しており、グリーンランド政府としては、原油を中心とした地下資源収入により経済的に自立することにより、デンマークからの完全な独立が容易になると期待している。グリーンランドは表土面積の81%が氷床であるが、地球温暖化の影響により、陸上部分が露出してきており、それにつれ高まりつつある資源ポテンシャルが以前から着目され、今後も同国での原油を中心とした天然資源の開発が注目されている。
