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南ア:Mining Indaba 2010開催、来場者は2009年を上回り、場内の活気は回復
毎年2月に開催されている世界有数の鉱業大会(Mining Indaba 2010)が2010年も2月1~4日に南ア ケープタウンにて開催された。参加者は、アフリカ資源国の鉱山大臣を始めとした政府関係者、メジャーからジュニアまでの鉱山会社の経営者や地質専門家、金属の需給動向やファイナンスのコンサルタント、アナリスト等であり、来場者数は4,700人と2009年の4,000人を大きく上回った(なお、2007年は6,000人)。
2010年の大会は、経済危機から間もない2009年と異なり、場内には活気があった。一方で、金融機関等からの探鉱・開発資金の供給制約は変化がないようで、探鉱ジュニア企業が資金調達を求める姿が目立っていた。さらに、2010年は、2009年と比較して、資源メジャー企業が積極的に他社との新たな協力関係を模索していたのが印象的であった。
講演では、南アのShabangu天然資源大臣による基調講演が行われ、その後プレス対応では、「任期中は天然資源の国有化はしない」と宣言するなど、厳しい経済情勢を背景としてか、アフリカ資源国の閣僚からは、資源の国有化には言及せず、外資導入の推進に関する発言が相次いだ。一方、実際には、アフリカの資源国おいて天然資源の国有化のための立法作業や国営鉱山会社の設立の動きが見られ、今後とも注視が必要である。
また、その他、アフリカにて鉱業投資を行うAnglo America、Rio Tinto等メジャー鉱山会社、IFC等金融機関、鉱物資源関係のアナリスト等から、金融危機後の鉱物資源市場の回復、アフリカにおける鉱物資源の探鉱・開発の動向、アフリカと中国との関係などを題材とする講演が行われた。全体としては、鉱物資源業界は、最悪な状況は脱しており、2010年は投資やM&Aが再度活発化を始めるのではないかなどという楽観的な予測を示すものが多かった。また、講演内容の中には、鉱山の安全や環境対策の説明を重視するなど、資源国に配慮した内容も数多く見られた。
注目される中国からの参加は、2009年同様の水準であったが、2009年のように集団で各ブースを回る姿はあまり見られず、中国としては個々の案件の発掘ではなく、各企業や資源国との関係強化の段階に移っているのではないかと推測される。
なお、JOGMECとしては、金属資源開発本部長からJOGMECのレアメタルを中心とした戦略、ボツワナ・リモートセンシングセンターでの技術供与、JVスキームの説明、2009年に開始した南ア3件、ボツワナ1件のJV等について説明するとともに更なるJVについて呼びかけを行った。同時に、会場に設けたJOGMECのブースには、4日間で200名を超える来訪があるなど、ジュニア探鉱企業などの非常に積極的なアプローチが印象的であった。
次回Mining Indaba 2011は、2011年2月7~10日ケープタウンにて開催予定である。なお、本大会の詳細はCTにて別途ご報告することとしたい。
