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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2010年2月16日 サンティアゴ 菱田 元

アルゼンチン・チリ:Pascua Lama金銀プロジェクトで請負労働者がスト突入

 2月11日付け地元紙等によると、チリとアルゼンチン国境に跨るカナダBarrick Gold社のPascua Lama金・銀鉱山開発プロジェクトで働く約800名弱の請負労働者が、賃金アップと労働条件改善を求め2月9日からストに入った。
 これら労働者は全員SINAMI労働組合に属しているが、組合委員長Miguel Gonzales氏によると、標高4,000~5,200 mの高地での労働を考慮したボーナスを賃金に含むよう請負会社に要求しているとのことである。Gonzales氏はまた、「以前は現場までの通勤に飛行機を使っていたが、悪天候で滑走路がダメージを受け飛行機が飛べなくなり、代わりにバス通勤となった。バスでは現場まで6時間を要する」と付け加えた。
 要求された請負会社は、鉱山キャンプの建設を担当しているTecno Fast Atco社とPetra社、そして土木工事を担当しているConsorcio Minero Parina Cerro Alto(PCA)社の計3社である。
 Gonzales氏によると、組合員労働者と請負会社は、解決の糸口を見出すため既にチリ第Ⅲ州労働事務所で話し合いを開始している。また、同労組がBarrickの代表と2月1日の週に会談し、請負会社との契約には含まれていない労働条件に関係した幾つかの問題についても改善を要請した模様。
 Barrickは、2月11日付けの声明で「請負会社とその労働作業員との間の交渉について承知しているが、労働者作業員はPCAと契約を締結しており、我々はこの件に関わる責任はない」と述べた。
 Pascua Lamaの建設作業は2009年10月に開始し、鉱山キャンプ開設が2010年Q3、剥土工事開始が2011年Q1、金地金生産開始が2013年Q1に予定されている。
 設備投資額30億US$のPascua Lamaプロジェクトは、操業開始後の5年間の年産量は金23~25t、銀年間1,089tの生産が計画されている。鉱山が全操業期間中に生産する銀量の25%についてカナダSilver Wheaton社への販売が決まっているが、最初の3年間に625百万US$のキャッシュ払いに加え、3.90 US$/ozまたは銀市場価格のどちらか安い価格でSilver Wheaton社へ販売することが条件となっている。

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