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チリ:政府高官は巨大地震の経済ダメージの概況を説明
チリ政府高官は2月28日、前日の27日早朝にチリ中南部において発生したマグニチュード8.8の巨大地震の経済ダメージの概況を説明した。
今回の地震はサンティアゴ南西320 kmのMaule町の付近が震源とされ、最大規模の地震の一つとなり、高速道路や通信回線を遮断した。港や空港も著しい被害を受け、地元あるいは国際紙によると、銅生産の5分の一が中断している。
CODELCOは、第Ⅴ州と第Ⅵ州の鉱山操業が中断しているが、2月28日には通常生産に戻る見通しである。チリ最大級の銅山であるEscondidaとChuquicamataは地震の影響を受けなかったが、Anglo AmericanのLos BroncesとEl Soldado両鉱山は操業を中断している。
チリMichelle Bachellet大統領は、地元テレビで、「チリは水と電力供給で重大な問題に直面している」と述べ、エネルギー省Marcelo Tokman大臣は、「十分な発電容量はあるが、送電と配電網に問題が生じた」と述べた。
サンティアゴ市の大部分の場所では地震発生から24時間以内に電力が回復したが、政府高官は2月28日のプレス会議で、電力供給は地震で最も激しい被害を受けた地域にとっては、引き続き大きな問題であると述べた。
サンティアゴ空港は2月28日、国際便の到着が部分的に再開したが、旅客ターミナルは大きな被害を受けており未だ閉鎖している。
遠距離通信網もサンティアゴとチリ南部との間で切断されているが、これも電力供給に起因するとのことである。チリ南部の被害、とりわけチリ第2の都市Concepcion周辺の被害の実態については、2月28日になり、ようやく明らかになり始めているが、この遅れも電話通信網の問題に起因する。
ENAP (チリ国営石油公社)は、「電力供給と建造物の被害のため、Bio BioとAconcagua製油所の操業を中断したと発表した。ENAPは消費者に対し10日間の燃料供給は確保できており、燃料輸入を増やしている」と述べた。しかしながら、チリ全土のガソリン・スタンドでは長蛇の列ができている。
150万人を超える住民及び50万世帯が深刻なダメージを受け、2月28日現在で数百回の余震が地域を襲っている。その内50回はマグニチュード5.0以上である。
Bachelet大統領は「大災害の状態は80日間続く」と述べたが、3月11日付で大統領職はPiñiera次期大統領に引き継がれる。Bachelet大統領は、Piñiera次期大統領と新内閣がスピード感をもって事に取り組むことを確信すると共に、現政権が有する全関連情報を新政権に引き継ぐことを約束した。
