ニュース・フラッシュ
2010年3月15日
ロンドン
フレンチ香織
欧州:コードレス電気工具へのNiCd電池使用禁止を検討
業界紙によれば、2008年9月26日に施行された新電池指令(2006/66/EEC)では、コードレス電動工具に対するNiCd電池の利用は禁止対象外となっていたが、欧州委員会は、カドミウム利用の禁止を検討している。これは、最近の欧州委員会の分析により、NiCd電池を利用したコードレス電動工具は、欧州の同工具市場の55%を占めているが、深刻な経済影響及び技術的な問題を招かずに代用品へと移行できると判断され、また、産業は5年前から、カドミウム・フリーの電池利用へとシフトし始めているからである。今後、ステークホルダー(利害関係者)のコンサルテーションが行われ、社会経済的便益の面から決定がなされる予定である。
現行の新電池指令では、機器に内蔵されている電池を含めて、カドミウム含有率が0.002 wt%を超える携帯型電池は使用禁止となっているが、対象外として、非常灯を含む緊急時対応及び警報システム、医療用具、コードレス電動工具には、NiCd電池の利用が認められている。欧州市場では、RoHS指令や本電池指令の影響により、カドミウムの利用は減少基調にあるため、NiCd電池を利用したコードレス電動工具も減少基調にある。一方、リチウムイオン電池を利用したコードレス電動工具は増加基調にあり、2009年は本市場の35%を占めた。
※欧州委員会の分析詳細:http://ec.europa.eu/environment/consultations/pdf/batteries_study.pdf
