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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2010年4月6日 サンティアゴ 菱田 元

チリ:El Morro金・銅プロジェクト訴訟でBarrick社勝訴の可能性は低いとアナリストが分析

 4月1日付け地元紙等によると、チリ第Ⅲ州El Morro金・銅プロジェクトについてカナダ・トロントBarrick Goldが同じくカナダ鉱山会社Goldcorp社とNew Gold社を相手取ってカナダ・オンタリオ州高等裁判所に提訴した裁判は、Barrick Goldが勝訴する可能性は低いとHaywood Securities社アナリストKerry Smith氏は述べた。
 「もしBarrickがこの裁判に勝つ見込みがあったならば、Cerro Casale金・銅プロジェクトの残り25%をJVパートナーKinross Gold社からわざわざ取得することはなかっただろう。」とKerry Smith氏は述べた。
 2009年10月にBarrickはXstrataと同社が所有するEl Morroプロジェクト70%権益を465百万US$で購入することに合意したが、この契約は30%権益を所有するNew Gold社がfirst refusal rightを行使しないという前提に依存していた。
 しかしながら2010年1月にNew Gold社は、first refusal rightを行使して70%権益を463百万US$で取得し、それをGoldcorp社に譲渡するとの契約を、Goldcorp社との間で締結した。その後、Goldcorp社はNew Gold社に追加の50百万US$を支払い、El Morro 70%権益を所有するNew Gold社のチリ子会社買収を完了させた。New Gold社は30%権益をまだ所有している。
 「直観的に、Goldcorp社が行ったことは、いかなるJV契約からも除外すべきことのようには思えず、法に抵触するとは思えない。Barrickの論点は、Goldcorp社がNew Gold社のオプション権行使のために同社に融資するのはおかしい、というものであるが、何故そのようなことができないのか。合理的な動きに思える。」とKerry Smith氏は述べた。
 El Morroプロジェクトは設備投資額25億US$で、確定及び推定埋蔵量合計で金208t、銅259万tである。

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