ニュース・フラッシュ
2010年4月27日
調査部
渡邉美和
中国:中国、レアアース産業許可条件案提示、2割の企業が淘汰対象か
現地報道によれば、工業情報化部は、5月13日、レアアース産業に関する許可条件案を提示し、意見を求めている。案の通り実施されれば、全国で2割のレアアース企業が条件を満たさず、企業として継続できずに淘汰の対象となるとの見方がある。
生産面での条件は、生産規模、技術と設備、エネルギー消費状況、資源の総合利用状況、環境保護などの点に関して、鉱山の場合と製錬分離業に分けて規定されている。
その条件は、軽希土鉱山については、生産能力が30万tを下回らないこと。イオン型希土鉱山については同3,000t、混合型希土鉱の製錬分離については同8,000tを下回らないこと。炭酸セリウムの製錬分離については同5,000t。南方イオン型希土についての製錬分離の規模は同3,000t、希土金属の製錬については同1,500tとなっている。
このほか、経営面からは、少なくとも固定資産投資が資本の40%であることも規定されている。
中国の主なレアアース産地としては、内モンゴルの包頭、四川省の牦牛坪の軽希土、広東と江西のイオン型希土(中重希土)がある。現有の希土生産能力は20万t前後であり、今回の条件では、企業の生産能力は約16万tとなる。約20%の生産能力は淘汰されることになる。
この許可条件を根拠に、投資管理や土地の供応、環境保護審議、貸付融資などが実施されることとなり、条件に達しない企業については、2年間の猶予期間が与えられるとのことである。しかし、「生産拡大は簡単なことではなく、未達企業は、企業合併などの再編に向かわざるを得ない」との見方もある。
