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ニュース・フラッシュ

鉱種:
パラジウム レアメタル
2010年5月24日 ロンドン フレンチ香織

英:2009年パラジウム需給見通し(Johnson Matthey発表)

 Johnson Matthey Plc(本社:ロンドン)は17日、2009年のパラジウム需給分析と、今後の価格の見通しを発表した。 同社の調査によると、2009年のパラジウム需給は、23.6tと微増の供給過剰が予想された。2009年における世界のパラジウム供給は、世界的不況が原因で南ア及び北米の減産がみられたが、ロシアの在庫放出が29.9tと大規模であったため、供給不足分が相殺され、前年比2.9%減の220.8tに留まったと分析。また、2009年における世界のパラジウム需要(リサイクルを除く純需要) * も、2008年比5.0%減の197.2tと微減。これは、世界的不況が原因で、世界全体の自動車触媒用パラジウム需要が減少傾向であったにも拘らず、中国が前年比76%増(21.3t)の著しい成長を見せ、前年比9.3%減の126.0tに留まったからである。
 加えて、2009年における世界の宝飾用パラジウム需要は、プラチナ価格低迷によって、中国の宝飾産業がプラチナ宝飾の製造に集中したため、世界全体で前年比17.3%減の25.3tと縮小。工業用及び歯科用需要も同比5.8%減の70.9tとなった。他方、今後の産業需要の回復が期待されていることから、2009年の投資用パラジウム需要は19.4tの記録的レベルに到達した。
 2010年のパラジウム需給については、過剰幅が狭まると予想されたが、「ロシアの在庫については不確かではあるが、2011年までは底をつかないと予想され、今後も放出は継続すると予想する。従って、鉱山生産は低速に増加であっても、供給過剰は続くであろう」とのコメントがあった。この供給過剰を相殺する鍵となるのは、投資用需要と発表され、また、今後の産業用実需の回復も予想して、2010年のパラジウム価格予想は、475~700 US$/ozと発表された。
 * パラジウム純需要(197.2t) = パラジウム総需要(241.7t) -中古品プラチナ回収(44.5t)

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