ニュース・フラッシュ
2010年5月25日
サンティアゴ
菱田 元
チリ:Collahuasi鉱山側が請負労働者にキャンプ環境改善に同意しフル操業に戻る
5月18日、19日付け地元紙等によると、チリ第Ⅰ州Collahuasi鉱山の広報担当Bernandita Fernandez氏はストライキを実施している請負労働者と5月17日に会い、Pionerrosキャンプの環境改善及び他の要求に対処するため30百万US$の予算を準備していることを伝えた。Collahuasi鉱山の請負労働者グループは、直轄労働者のキャンプより劣る請負労働者用のPionerrosキャンプの環境改善を始めとする要求のため、5月7日に鉱山操業を停止しアクセス道路を封鎖した。鉱山経営者側はこれを「不法な乗っ取り」と呼んでいた。
Fernandez氏は、5月7日から5日間続いた「不法な乗っ取り」は5月12日にチリ警察が抗議者を立ち退かせ終了し、また、鉱山操業は6日間の再開期間を経て5月18日にフル操業に戻ったと述べた。Fernandez氏は請負労働者が要求しているストライキ終結のための1万Peso(1,900 US$)のボーナスと150万Peso(US$)の通常ボーナスについてはコメントしなかったが、Collahuasi鉱山側は現在請負労働者側との団体交渉は行っていないことを明らかにした。
抗議行動に出た請負労働者はイキケ市に移動し、鉱山側が彼らの要求を呑むよう主張を続けているが、鉱山側は5月12日に発表した「不可抗力事態宣言」を5月19日に解除した。請負労働者によるこの一連のストライキでのCollahuasi鉱山の損失は、銅精鉱41,500t分(銅純分量11,300tに相当)とのことである。
Collahuasi鉱山はXstrata 44%、Anglo American 44%、日系企業 12%の権益比率で、2009年は535,000tの銅を生産した。