ニュース・フラッシュ
2010年5月31日
リマ
山内英生
ペルー:La Oroya製錬所操業再開見通し立たず
5月29日~31日付け地元各紙によると、資金繰り悪化で2009年半ばからLa Oroya製錬所の操業を停止しているDoe Run Peru社は、5月28日にエネルギー鉱山省において製錬所再開に必要な保証契約書の署名を行う予定であったが行われず、31日に再び同省内で協議が行われることとなり、Vargas総鉱業局長は、Doe Run Peru社には問題解決の意思が欠如していると批判した。
本件に関して、SNMPE(ペルー鉱業石油エネルギー協会)のGalvez鉱業副委員長は、Doe
Run Peru社の製錬所再開は遅延しており、諸問題が解決されるまで政府は同製錬所を閉鎖し、新たな製錬所を建設するべきであるとの考えを示した。同副委員長は、「精鉱の販売や地金の購入を行う企業なしに製錬ビジネスは成立せず、La Oroya製錬所はそのいずれも持ち合わせていない」とし、同製錬所は閉鎖されるべきで、全く違う場所でクリーンな環境のもと、最新技術を用いた新製錬所の建設プロジェクトを実施するべきとの考えを示した。更に、La Oroya製錬所で働いていた労働者のうち30%は既に定年退職の年代層であることのほか、40%は既に他の鉱山で勤務しており、残り60%は鉱業・冶金業ではない他業種に従事している現状を伝えた。
一方、全国鉱業冶金鉄鋼業労働者連盟のCastillo書記長は、製錬所の労働者やLa Oroyaの住民等も含めた無期限抗議行動を実施する旨を発表した。抗議行動の実施日は今のところ決定されていない。
