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豪:資源超過利潤税の行方が混沌
2010年5月27日、上院経済委員会は資源超過利潤税導入の報告書をまとめた連邦財務省のヘンリー次官を召致し、新税導入の考えを問いただした。これに対し、鉱山がでメディア広告で誇張するほど豪州国民に対して貢献度がないとの考えを示した。また、発表された40%の税率を変更することも聞かされていないと述べるとともに、鉱山業界は豪州が世界金融恐慌による不況からの脱却できたのは鉱山業界の貢献によるものであると述べているが、これは間違いで、政府の経済振興策や政策金利の引き下げによるものと指摘、また、資源超過利潤税が資源価格を高騰させインフレを招くということはなく、資源への投資の停滞も無いとの見解を示した。
2010年5月28日、連邦政府は新税導入に向けコンサルテーション・パネルからの意見書の提出を受けるが、公開予定はないとしている。また、鉱山業界は、近く政府は新税導入の修正案を発表するとのうわさを流しているが、政府はこれを否定している。政府高官の一人は、コンサルテーションを終了後に検討課題を取りまとめたものを7月に公開するまでの間は修正には応じないとしており、その後の修正に含みを持たせている。
一方、2010年5月28日、連邦政府は、資源超過利潤税導入阻止のネガティブキャンペーンを豪州鉱業協会(Minerals Council of Australia)のメディア広告に対抗するため、38百万A$もの巨額の国費を投じて対抗するメディア広告を行うと発表した。これに対し、新税導入に反対する野党(自由党)は、2007年の連邦議会選挙時に当時野党であった労働党が政府広告に反対していたことを指摘し、政策に一貫性がないと一斉に反発している。連邦政府がだしたメディア広告は、鉱山は資源ブームで超過利益を上げているにも関わらず、それに見合った納税を行っていない点を指摘しているが、これに対して鉱山企業や鉱業協会は、連邦政府の見積もった鉱業企業による納税額は誤っているとして、お互いが主要紙等のメディアを使って広告キャンペーンを行う争いになっている。
