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ニュース・フラッシュ

2010年6月4日 ロンドン フレンチ香織

欧州:REACH順守状況、約1,600企業のうち24%が予備登録で義務不履行と判定

 欧州化学品庁(ECHA)による6月1日の公式発表によれば、REACH施行に関する意見交換フォーラムは、REACH-EN-FORCE 1プロジェクトで、2009年5~12月の間にノルウェー、アイスランドを含む23か国で約1,600企業のREACH予備登録のコンプライアンス(順守)状況の検査を行い、24%の企業がREACH規則の義務に不履行であるとの結論に達したと発表した。
 最初の対象となった1,600企業は、製造会社が878企業、輸入業者が666企業、代理業者が83企業、下流ユーザーが858企業。うち、ベースメタル製造会社は68社、金属加工業者は29社であった。不順守と判断された企業の多くは、化学物質安全性データシートまたは化学物質の予備登録でのマイナーミスが原因とされている。さらに、本調査対象企業のうち2.6%は、予備登録を怠ったため、本登録の猶予期間が与えられず、REACH規則第5条の「no data, no market」で違反していると分析された。
 これらの予備登録の未完了に対する措置は、再提出などの管理命令が下された企業(169社)、各国で定められている罰金刑が下された企業(12社)、刑事告訴(3社)などと相違する。REACH規則違反に対する罰金や禁固処分に関しては各国によって異なるが、現在、先月発表されたEUコンサルタント調査報告書では、総合的にREACH罰金は値上げすべきとの意見も出ている。なお、今後、本フォーラムは2011年4月まで、予備登録の順守状況検査を延長する予定である。
(REACH順守状況の第一回検査結果:
 http://echa.europa.eu/doc/about/organisation/forum/ref_1_facts_report.pdf)
EUコンサルタント調査報告書:
 http://ec.europa.eu/environment/chemicals/reach/pdf/report%20REACH%20penalties.pdf)

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