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ジンバブエ:Zimplats、Ngezi鉱山拡張及び製錬所の建設を検討中
報道によれば、南アImpala Platinum社の子会社であるZimplatsは、ジンバブエ初の金属製錬所の建設、そして投資総額5億US$のNgezi鉱山の拡張における第2フェーズ計画への本格的な移行を検討している模様である。ジンバブエは、南アに次ぐ世界第2位のプラチナ生産国であるが、現在の連立政権の不和状態、ならびに2010年3月に一方的に施行された『Indigenisation and Empowerment Act(2007)』によって、投資家の間で不信感が続いている。Zimplatsも3月の講演には、「本法の不利な条件や、同社へのジンバブエ中央銀行の債務が34百万US$にまで上っていること、また、APT(追加収益税)をめぐった政府関係者との議論などは、第2フェーズ拡張計画の実行を阻害する課題である」と述べていた。他方、今回の報道では、Zimplatsの関係者は、「本法の施行で、5億US$相当の第2フェーズ拡張計画を断念するのは誤判定である」との強気な意見が聞かれた。
Johnson Matthey社が5月に発表した2009年のプラチナ・パラジウム需給分析では、2009年におけるジンバブエのプラチナ生産は前年比28%増の230百万oz、パラジウム生産は同比28%増180百万ozの増加を示した。Zimplats社のNgezi鉱山は、Portal 1の開発プロジェクトが完了したことにより、2009年はプラチナ生産が130千ozにまで増産。2011年に第1フェーズ拡張計画が完了すれば、同鉱山でのプラチナ生産は180千oz/年にまで増強されるとされ、また、第2フェーズ拡張計画が実行されれば、さらに270千oz/年にまで拡大されると推測されている。
なお、Anglo Platinumが開発中のUnki鉱山開発プロジェクトは、プラチナ年産能力は6万ozで、2011年から操業開始が予定されている。地政学的リスクが懸念されるなか、プラチナ大手の鉱山開発は着々と進んでおり、今後の同国でのPGM増産が期待されている。
