閉じる

ニュース・フラッシュ

2010年6月8日 調査部 渡邉美和

中国:資源税改革、新疆で原油と天然ガスについて先行実施

 現地報道によると、国務院の批准を経て、財政部と国家税務総局は『新疆原油天然ガス資源税の若干の問題に関する規定』を制定、6月1日施行で財税(2010)54号として発布した。これにより、資源税改革が、新疆ウイグル自治区で先行して、原油と天然ガスについて実施される。「資源税改革を新疆で先行実施することにより、我が国の資源税改革は堅実な一歩を踏み出した」と税務総局は述べた。
 中国の資源税で規定されている課税対象は、原油・天然ガス・石炭・黒色(主に鉄鉱)金属鉱石・非鉄金属鉱石・その他非金属鉱石・塩等の7分類であり、価格の高低に影響されない従量課税であった。これを売上高従価税とすることや、税収地方配分を増加することなどが改革のテーマとして掲げられている。また一部には課税対象の拡大(例えば水資源)も伝えられているが、その改革全体像はまだ明示されていない。
 今回の発布された上記規定は、この資源税改革に基づき、対象と地域を限定して先行実施するもの。当局は改革全体像の目的を、資源の合理的な開発採掘と節約による環境友好型社会の構築のためとしているが、同時に、税金負担の再調整や地方税収の増加のための中央-地方配分比の改定なども掲げている。

ページトップへ