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アルゼンチン:Xstrata社のEl Pachonプロジェクトの近況
6月9日付けチリLa Tercera紙は、チリ第Ⅳ州とアルゼンチンSan Juan州に関係するEl Pachon二国間鉱山開発プロジェクトについて、以下のように報じた。
El Pachonプロジェクトの先行きが不透明である。主な理由は、アルゼンチンで2007年末に承認された鉱産品輸出税の引き上げが収益に大きな影響を及ぼすからである。アルゼンチンNestor Kirchner前大統領の政権のとき、全ての外国資本のベースメタルの輸出に対して10%の追加課税を認めた。
このプロジェクトを実施するXstrataは、アルゼンチン政府と長期の税の不変協定契約を締結していたので、この緊急措置に戸惑った。アルゼンチンの新税制度導入の結果、Xstrata CEO Charlie Startain氏はEl Pachonプロジェクトへの投資の優先度が下がったと述べた。
「El Pachonに関しては未だに検討中である。アルゼンチン政府によるプロジェクトの売り上げに対して10%の追加税を課すとの決定について、我々はそれを尊重しなければならないが、インパクトは非常に大きい。」と同氏は述べ、「管理部門で税の引き上げを組み入れた上での操業実現可能性を再検討している。また2009年末に見つかった新たな鉱床により埋蔵鉱量は40%増加する。」と付け加えた。再検討に期限はないが、おそらく2011年までかかるだろうと見られている。
Pachonプロジェクトは粗鉱埋蔵量12億t以上、銅精鉱で毎年約30万tの生産が見込まれ、当初12億US$であった投資額は19億US$に増加した。チリとの国境から5 km東に位置し、鉱床は完全にアルゼンチン側にあるが、銅産品はチリの港から輸出される計画である。2006年にカナダFalconbridgeを買収したスイスXstrataがEl Pachonプロジェクトを継承した。


