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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2010年6月21日 調査部 渡邉美和

中国:各地で鉛排出に関わる検査実施、血中鉛濃度異常事件も再発

 2009年の陝西省東嶺集団をはじめとして頻発した血中鉛濃度異常事件とそれに伴う民衆の抗議を受け、環境保護部門による環境汚染物質排出状況検査活動が、5月以来、各地で大規模に実施されている。
 現地紙によれば、6月、江蘇省無錫市では、全市にわたる鉛排出企業の実態調査と、周辺地区での環境汚染リスク検査を実施。企業による排出等の自己管理状況検査や市内各県にわたる排出実態検査のみならず、住民居住地域、学校、病院、飲用水水源地などの厳密管理地域やその周辺地区での地表水、地下水、大気中の鉛分の実態検査が行われた。
 また、遼寧省でも同省環境保護庁による重金属汚染検査が実施された結果、葫芦島亜鉛製錬廠でヒ素を含む廃棄物が露天で堆積貯蔵されていたことが指摘されている。危険廃棄物の表示もなく施設も老朽化し、雨により危険物が土壌にまたは雨水ともに流出する汚染が懸念され改善が求められている。
 このような状況下、6月12日には湖北省咸寧市崇陽県青山鎮の湖北吉通蓄電池有限公司で、同企業社員や付近住民ら30人に血中鉛濃度の基準値超過が発見されていることを現地紙が報じている。鉛汚染源とみられる同公司は生産停止を命じられた。

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