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ニュース・フラッシュ

2010年6月22日 シドニー 原田富雄

豪:連邦資源エネルギー大臣はウラン鉱山の環境規制廃止を検討

 2010年5月、Ferguson連邦資源エネルギー・観光大臣は、ウラン鉱山規制の効率化に向けた中間報告を発表した。これは、2006年9月に「ウラン産業機構(Uranium Industry Framework)」がウラン鉱山開発に当たっての障害を取り除くレポートをまとめたのをきっかけとして、ウラン鉱山開発に関する規制官庁である連邦資源エネルギー・観光省、SA州一次産業・資源省及びNT州資源省が大手会計事務所のDeloitteにレポートの評価を依頼、2008年12月に評価結果が上がっていたもので、10項目に及ぶ評価項目及び17の改善勧告の内容となっており、発表されたものはこれらの改善勧告の受け入れ可否についての動向をまとめたものとなっている。
 発表内容のうち興味深いものとして、ウラン資源のポテンシャルがあるにもかかわらず当時ウラン鉱山開発を認めていなかったWA州QLD州政府の規制を連邦政府が廃止するとの勧告については支持しないとされたが、連邦環境・遺産・文化省が「環境保全・生物多様性保護法(Environment Protection and Biodiversity Conservation Act (1999))」によりウラン開発事業者に求めている環境承認については廃止を含めて検討中としている。これに関して、大手法律事務所Clayton UtzのMacGregor弁護士は「廃止されれば、少なくとも環境保全・生物多様化保護法上は他の鉱山との違いはなくなり、連邦政府による環境承認手続きが不要となる」と述べており、ウラン鉱山開発が促進されると考えられる。
 なお、最終報告書の発表は2010年末が予定されている。

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