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ニュース・フラッシュ

2010年6月29日 ロンドン フレンチ香織

アフリカ:Poscoや韓国公社Kores、アフリカでの資源投資に着眼

 近日、韓国がアフリカでの資源投資に積極的な姿勢を見せている。韓国製鉄大手Poscoの会長は6月11日からの一週間、モザンビーク、南ア、ジンバブエの3国を訪問した。この機会に同会長は、モザンビーク及び南アでは自社が投資する石炭やマンガン鉱山の開発現場を訪れて関係者等を励ましたが、ジンバブエでは、ムガベ大統領と別途会合を持ち、ジンバブエにおける原料開発及びインフラ建設に対する政府レベルでの協力を求め、また、鉄鋼合金鉄及び太陽電池用シリコン製品等に利用される平均純度99.9%以上の珪石の供給及び開発に関する覚書を、ジンバブエ現地企業であるAnchor Holdings社と締結するなどの新しい動きが見られた。同社は総合素材企業として、韓国国内でのリチウム、マグネシウム、チタンなどの素材開発及び生産体制の構築に注力するが、今後、アフリカでクロム、タングステン、マンガン、モリブデン、リチウムなどのレアメタル展開を積極的に展開する方針を表明している。
 その他、韓国の国営企業であるKorea Resources Corp(本社:韓国Seoul、略称「KORES」)は3月、IDC(Industrial Development Corp:南ア工業開発公社)と鉱物資源開発に係る共同事業実施のためのMOUを締結。その後の6月17日にも、同社社長が「2010年は、アフリカでのいくつかの鉱山案件に投資したい」と報道記者の質問に答えている。同社社長は、「2009年は経済復興とともに金属価格が上昇するので、特に2010年に、アフリカ、特に南ア、モザンビーク、ナミビア、DRCコンゴ、ニジェール、ザンビアを中心として、新規鉱山案件の獲得を狙いたい」と述べている。なお、資金は、先月売却した300百万US$相当の債券から調達する計画で、これらの一部は、同社が投資するマダガスカルのAmbatovyニッケルプロジェクトに補充する予定。3月の発表では、KORESの焦点は、6つの戦略鉱物(石炭、ウラン、鉄鉱石、銅、亜鉛、ニッケル)の供給確保とされていたが、同国の世界級の情報技術、インフラ、電力設備の技術を活かして、インフラ設備投資を含む包括交渉での投資機会を狙っている模様である。

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