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ニュース・フラッシュ

2010年7月1日 ロンドン フレンチ香織

アフガニスタン:鉱業大臣、天然資源から年間35億US$の歳入を期待

 アフガニスタンのWahidullah Shahrani鉱業大臣は6月25日、ロンドン投資家に向けて同国の鉱業に関する講演を行い、同国政府は石油・ガスを含む天然資源により、15年後には年間35億US$の歳入を期待していると発表した。米国防総省が6月14日、同国には銅、鉄鉱石、コバルト、金、リチウムなど1兆US$規模の鉱物資源が埋蔵されていると発表した直後であったため、ロンドン市場でも注目が集まった。
 本講演では、同氏は2008年に江西銅業集団と中国冶金科工集団公司がJV事業として、28億7000万US$で落札したAynak銅プロジェクトの順調な進捗状況(2013年に鉱山稼働の開始を予定)、そして、2011年に競売に出すことを計画しているプロジェクト3件(Aynak北部銅プロジェクト、Balkap銅プロジェクト、Hajigak鉄鉱石プロジェクト)についての紹介を行った。
 Hajigak鉄鉱石プロジェクトについては、鉄鉱石資源量18億t(品位63% Fe)の大規模な鉱床と同氏は紹介していたが、会場では、「旧ソ連圏プロジェクト(1963~1965年)に基づいた資源量は45年以上の前のもので古く、また、JORC規程等の国際報告基準に適合していないため、データの信頼性は疑問視すべきで、評価は誇張されているのではないか。」との意見が出ていた。それに対して、同氏は「同国の資源量を確定するためにも、有望な入札者がさらなる探鉱を進めてほしい。」と前向きな姿勢で返答していた模様。
 なお、報道によれば、同国での資源開発の促進を目指して、世銀及び米国地質調査所がアフガニスタン政府と密接に連携しているが、現状はAynak銅プロジェクトでもインフラ設備建設、さらには地雷撤廃までも行う必要があり、また、治安リスクも加えて、投資家を躊躇させる要因が未だ残存している。

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