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ニュース・フラッシュ

2010年7月2日 ロンドン 竹谷正彦

ジンバブエ:復興する鉱業

 報道によれば、ジンバブエでは、政治情勢が比較的安定化してきたことにより、各鉱山企業が鉱山の操業再開や拡張に着手している。
 鉱種別の企業活動は、以下の通り。
 1.プラチナ-国土の北東から南西に約550 kmに広がるGreat Dykeが、主な生産地域。
 ・Impala Platimun(Implats)(本社:南ア)
 世界第2位のプラチナ生産業者で、Zimplats(本社:ジンバブエ)を通じて同国最大のプラチナ鉱山を支配している。5億US$が投入され、プラチナの生産量を現在の50%増の8.4t/年(270千oz/年)まで拡張する計画が同社で進行している。
 ・Anglo Platinum(本社:南ア)
 世界第1位のプラチナ生産。同社では、2010年10月にUnki鉱山が生産を開始し、最終的に2t/年(65千oz/年)のプラチナを生産する予定。
 ・Aquarius Platinum(本社:パース)
 世界第4位のプラチナ生産。同社では、Mimosa鉱山(ImplatsとのJVで権益50:50)のPGM生産量を、2009年の5.6t/年(180千oz/年)から6.2t/年(200千oz/年)に増産。
 ・Eurasian National Resources Corp.(本社:カザフスタン)
 同社は、Bokaiプラチナプロジェクト(権益60%)のFSを実施しており、PGM含有量5t/年(163千oz/年)のPGM精鉱を生産する計画である。
 2.金-2010年5月、ジンバブエ鉱業協会が、今後2~5年の間に産金量を倍増させ、20tを上回ることを目標としていることを公表。
 ・Mwana Africa(本社:ロンドン)
 同社は、2009年Freda Rebecca鉱山を再開させ、2010年9月末までに産金量を1.5t/年(50千oz/年)を越える生産を目標としている。
 ・Duration Gold
 Clarity Capital(本社:ロンドン)の子会社で、同国は112か所の金鉱床を所有し、これまで174.1t(5.6百万oz)の金を生産している。休止施設を再開させて2012年までに3.1t/年(100千oz/年)を生産する目標を立てている。
 ・New Dawn(本社:トロント)
 同社は、2010年6月にCentral African Goldの株式の過半数を取得し、7鉱山の整備を行っている。2年以内に1.6t~1.9t/年(50千~60千oz/年)の金生産を目標としていて、最終的には7.8t/年(250千oz/年)まで生産を拡張する予定である。
 ・Riozim(本社:ジンバブエ)
 同社は、Renco金山の生産量を現在の0.7t/年(24千oz/年)から2013年までに2.1t/年(70千oz/年)に増産し、また、新規投資により2015年までに3.5t/年(112千oz/年)の生産する目標である。
 3.ニッケル・銅・フェロクロム
 ・Bindura Nickel Corp
 Mwana Africaが同社の権益の53%を所有している。同社のBindura鉱山は、アフリカ唯一の製錬所と精錬所を併設したニッケル鉱山である。2008年11月に同鉱山を閉鎖しており、親会社であるMwana Africaは、同施設の再開の前に同鉱山の衛星鉱山であるTrojan鉱山の再開のための資金調達を実施している。
 ・Riozim(本社:ジンバブエ)
 同社では、ボツワナから調達したニッケル銅マットを精錬するEmpressニッケル精錬所の改修を行う計画である。また、別途2012年に30千t/年のクロム精鉱を生産するJVを開始する予定である。
 ・Zimasco
 同社は、中国のSinosteel Corpの子会社で、フェロクロムの生産能力を162千t/年から230千t/年まで増強する予定である。同社は、同国最大のフェロクロム生産業者である。

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