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- 金 ベースメタル
南ア:DMR、白金大手Lonmin社に対して白金族以外の鉱物販売を禁止
各社報道によれば、世界第3大手白金産社Lonmin社(本社:London)のCEOは4日、南ア鉱物資源省(DMR)から、南アで操業する鉱山から産出される白金族以外のニッケル、銅、クロム等の鉱物の販売を至急停止するよう通知を受けたと発表した。理由は明記されていなかったようであるが、英経済紙によれば、第三者が申請したLonmin社保有の鉱区の一部での探鉱権をめぐる政府とLonmin社の間での論争が原因ではないかと推測されている。
Lonmin社によれば、1991年の南ア旧鉱業法では、鉱業権には副産物も販売する許可も含められていたが、2002年の鉱業権更新を求める鉱物・石油資源開発法(MPRDA:Minerals and Petroleum Resources Development Act)では、副産物の販売権に関して”暗黙”であるとのこと。同社は更新された鉱業権においても、副産物の販売権を保持していると信じていたが、2009年3月、元南ア公共企業省大臣(2009年10月までLonmin社の非常勤役員を兼ていた)であったSivi Gounden氏が経営するHolgoun社が、Lonmin社が操業する鉱区の一部におけるニッケル・銅・その他副産物の探鉱権を申請。Lonmin社は、Holgoun社の申請時に懸念を示し、白金及びその他すべての副産物の販売を許可される明確な権利を申請していたが、2010年5月にDMRは探鉱権を希望通りHolgoun社に付与した。
Lonmin社は現在、南アのMarikana、Limpopo、Pandora(JV事業)、Lonmin Platinum鉱山で生産を行っていて、主産物の白金族に加え、副産物としてニッケル、銅等を生産している。同社は2009年、白金以外の副産物の売上げにより、63百万US$の歳入収益を計上した。Lonmin社は、他社によるニッケル、銅などの副産物のみの採掘及び探鉱は、経済採算性を阻害するとコメントし、今後、法的アドバイスを求め、DMRの急な禁止令に反対する意を示していく予定。なお、南ア経済分析家や地元報道等の間では、2010年初頭にSishen鉄鉱山において、A.Mittal社が鉱業権の更新に失敗した権益21.3%をKumba社が継承できなかった例に続き、本件も南ア鉱業の評判を落とし得ると懸念感が高まっていた。