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ニュース・フラッシュ

2010年8月18日 ロンドン フレンチ香織

ロシア:Rusal、Norilsk取締役選任の係争をロンドン国際仲裁裁判所に上訴

 アルミ世界最大手UC Rusal(以下、Rusal社)は8月11日、6月28日に開かれたNorilskの年次株主総会での取締役の選出結果に不満を抱き、係争相手となっている複合企業のInterros Holding社(以下、Interros社)をロンドン国際仲裁裁判所に上訴した。Rusal社とInterros社は、Norilskの株式をそれぞれ25%保有しており、両者は2008年11月に対等な支配権を誓約している。しかしながら、2010年6月の総会では、Interros社の取締役は4名選出されたものの、Rusal任命の取締役は4名から3名に減り、また、Rusalが候補として挙げていた元大統領府長官のAlexander Voloshin氏が会長職を解任される結果となった。このことから、Rusal社は、Interros社に対して支配権の不均衡さを訴え、また、Norilskの投票管理者に対しては、Interros社の優勢となるように投票を工作したのではないかとも主張している。
 Rusal社は再選のための臨時総会を要請し、これを受けて、Norilskの取締役会は10月21日に再度招集されることとなる。但し、Rusal社が4名を確保するためには、再選任で25%の投票を獲得しなければならない。なお、業界の消息筋によれば、NorilskはRusalが保有する株を一部買取りたいとも示唆しており、市場専門家等は現在、Rusal またはInterros社のどちらかが他方保有の株25%を買収しない限り、本件は解決しないであろうと分析している。Interros社の方は、報道からの不断な非難を解消するためにも、本裁判を”受け入れる”姿勢を示している。

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