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南ア:Shabangu大臣、鉱業法の明瞭化、探鉱・鉱業権の管理組織の改革を発表
連日投資家の不信感が報じられている南アであるが、投資家の信頼を迅速に再構築するためにも、南ア鉱物資源省(DMR)のShabangu大臣が8月17日、『南ア鉱業部門に持続可能性を齎す方法』と題したブリーフィングを行った。本講演では、同大臣は、(今回のLonmin及びKumba社等との論争が起こった主因でもある)『鉱物・石油資源開発法(以下、MPRDA:2002年作成、2004年施行)の曖昧さ』、『同省の鉱業・探鉱権の管理能力の欠如』を課題として認識しており、今後は政府、労働、産業の3分野からの利害関係者が一丸となって改善策を立案していく方針を示し、先ずは、『MPRDAを明瞭化』、『鉱業・探鉱権の管理局の統合化及び情報公開』を同省に指示したと発表した。具体的な要点を、以下に記載。
[1]利害関係者タスクチームは、MPRDA(鉱物・石油資源開発法:Minerals and Petroleum Resources Development Act)の改正案をすでに列挙しており、可能な限り早く議会に提出する。(MPRDAの改正案は、国会に2010年末に提出予定。)
[2]2010年9月1日より、新規の電子媒体による鉱業権・探鉱権の管理システムを導入し、公民を含む利害関係者全員が、鉱物資源省のウェブサイトを使って、『探鉱・鉱業権のステータス情報』にアクセスできるようになる。また、DMRは、『ライセンス処理状況』を確認するための新規の統合システムを開発しており、今後6か月以内に一般からのアクセスが可能となる。
[3]地方ライセンス管理局の管理能力を改善するためにも、選抜者を派遣し、6か月以内に改革を行う。今後、探鉱権は(各省の)地方自治体で発行するのではなく、(プレトニアの)本部のみから発行されることとする。
[4]探鉱権のオーバーラップの問題は、今後3か月で解決する方針である。
[1]に関しては、特にLonminとの問題の原因となったChapter 4の『申請処理の順序』(First comes, First servedの法精神)の部分や、副産物となる共生鉱物(Associate Minerals)の利用権については明確にすべきと同省は認識している(※旧鉱業法では鉱業権の個人保有が認められ、ライセンスを得た鉱区でのすべての鉱物の利用が明確に認められていたが、現行のMPRDAでは、共生鉱物に関して明記されておらず、各鉱物に対するすべての利用権は国が保管(Custodian)することとなり、同じ土地でも各鉱物に対する探鉱・鉱業権をそれぞれ違った企業に与えるケースが認められている)。さらに、Chapter 4の『鉱業権の譲渡』に関しても、再検討する予定である。
また、重要なことに、[2]の実施に伴って、同省は、探鉱権の申請受付を一時停止することとなる。この一時停止は、近日官報にて報告されることとなっており、この停止期間は6か月間。その間、MPRDAの導入以降に更新・承認された鉱業・探鉱権の包括監査を行う予定で、本期間中、承認済みの鉱業・探鉱権は、通常どおり有効とされる。
なお、各社報道によれば、法律専門家や南ア鉱業協会等は、本発表に対して好意的な反応を示している。
参考:Shabanguのブリーフィング原文
http://www.polity.org.za/print-version/sa-shabangu-briefing-by-the-minister-of-mineral-resources-on-measures-to-bring-stability-to-south-africas-mining-sector-pretoria-2010-08-17
MPRDA(2004施行)の原文入手先:http://www.platmin.com/p/legislation.asp