豪：最高裁はNSW州政府に対しロイヤルティ返還の判決

　2010年8月26日付け地元紙等によれば、連邦最高裁判所はNSW州政府に対し、Newcrest Mining Ltd.(本社：豪Melbourne)から1998～2008年の間に徴収した銅に関するロイヤルティ総額8百万A$の返還を命じる判決を下したと報じた。
　Newcrest Mining社がNSW州Orange地域に保有するCadia金・銅鉱山は、土地利用が認められた19世紀中頃に金鉱山として登録されており、Newcrest Mining社は、同鉱山から産出する金については、16世紀の英国法に基づき英国王室に帰属するためロイヤルティの支払義務が生じるものの、銅に関しては私有でありロイヤルティの支払義務は生じないと主張してきていたが、NSW州政府は、銅に関しても支払い義務が生じるものとして、金と同様に銅に関しても同鉱山からロイヤルティを徴収し続けてきた。Newcrest Mining社は2008年にNSW州高等裁判所に訴え同社の主張が認められたが、NSW州政府が控訴した結果、控訴審がNSW州政府の主張を認めたため、Newcrest Mining社が連邦最高裁判所へ上訴していた。
　地元紙等によれば、1852～1888年の間にNSW州政府が土地利用を認めた金及び銀鉱山では、NSW州政府が金及び銀以外の鉱物に関する権利保有に失敗していると報じた。