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ニュース・フラッシュ

2010年9月6日 ロンドン フレンチ香織

南ア:Witwatersrand地域の酸性坑廃水(AMD) 処理、総額218百万ZARと算定

 南ア旧金鉱山が集中するWitwatersrand地域(特に西部盆・中部盆)で、地面下での酸性坑廃水(Acid Mine Drainage:AMD)の水かさが増しているとして深刻な鉱害の対策が急がれているが、南アの水資源・環境省のSonjica大臣は8月中旬、同地域の暫定処理費を総額218百万ZARと算定した。さらに、本地域の金鉱山の70%は所有者がいないとして、政府は本出費の70%(145百万ZAR)を負担しなければならないと考えられている一方、鉱物資源省の本対策に関する予算はたったの40百万ZARと、政府はAMD対策の財政難に直面している模様。
 水資源・環境省所属のGauteng州水質管理長であるMarius Keet氏によれば、Witwatersrand地域の西部盆では、20百万L/日のAMDを別の場所に移動している。他方、Witwatersrand地域の中央盆では排水作業が遅れており、パイプ排水及び水処理が17か月以内に実施されなければ、ヨハネスブルグ市街中心地の地面上に浸水する恐れがあると同氏は述べる。現在の中央盆の水かさは、地表下約550mのレベルとされており、危険なレベルとされる地表下150mまでには未だ遠いが、0.35m/日でAMDの水かさは増している。
 これらの対策として、Sonjica大臣は9月6日、InterMinisterial Committee(IMC)に、Witwatersrandの西部・中央盆のAMDに関する報告書を作成するように発令。本報告書は6週間以内に完成する予定で、今後の財政予算及び対処法の決定に参照されることとなる。なお、IMCの専門家パネルは、南ア科学産業研究協議会(CSIR)、Water Research Council、南ア地質調査所(CGS)、南ア鉱業協会、水資源・環境省、鉱物資源省から選出された専門家によって構成されている。

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