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ニュース・フラッシュ

2010年9月7日 シドニー 原田富雄

豪:資源ブームの再来

 2009/10年度Q4(4~6月)における鉱山の総利益(季節調整値)が前期比(2009/2010年度Q3)63%増に達したことが2010年8月30日に発表された連邦統計局の資料から明らかとなった。鉱山を除く産業全体が8%減と落ち込む中で、鉱業分野が豪州経済を押し上げている構図となっている。これは、依然好調が続く中国の資源需要が背景にあり、一部資源価格の下落が見込まれる2010/11年度Q1(7~9月)においても、この傾向は続くと連邦準備銀行のエコノミストは見ている。
 こうした資源ブームの再来を受け、2011年度以降の各州政府のロイヤルティ歳入(石油/天然ガス含む)について、主要輸出品である鉄鉱石及び石炭については直近のスポット価格が落ち込んでいるものの、依然として予算書を作成した5~6月時点での資源価格の予想を上回っていることから、2011年度以降の各州政府ロイヤルティ収入が2009/10年度比で約1.5倍に達することが各州政府の見通しから明らかになった。豪州農業資源経済局によれば資源エネルギー分野へコミットされた投資額は1,100億A$に達しており、これらの開発事業からの税収を含めれば、更なるロイヤルティ収益が期待されている。
 一方で、8月21日に実施された連邦議会選挙で、与党労働党が勝利したことを受け、鉱物資源利用税(MRRT)が導入されれば、鉄鉱石及び石炭開発が現在の予測どおり進むかについては疑問の声も挙がっている。
 各州のロイヤルティ歳入の予測(出典:各州政府資料、ブランクは予測値なし)

09/10年度
(速報)
10/11年度
(予測)
11/12年度
(予測)
12/13年度
(予測)
10/11~12/13
年度(予測)
WA 2,983 4,199 4,554 4,702 13,455
QLD 1,986 3,243 3,248 3,213 9,704
NSW 953 1,768 1,745 1,687 5,200
NT 147 157 157
SA 144 170 195 200 565
VIC 48 46 46
TAS 19 36 39 39 113
合計 6,280 9,619 9,781 9,841 29,240
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