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ニュース・フラッシュ

2010年9月20日 ロンドン 萩原崇弘

欧州:欧州原材料イニシアティブWorkshop開催、産業界から政府に対応不十分との不満の声

 9月10日、欧州委員会は、原材料イニシアティブ(Raw Materials Initiative)に関するWorkshopをブリュッセルのEU本部会議場で開催した。
 内容としては、EU委員会から原材料イニシアティブの進捗状況や年内にコミュニケがまとめられることなどが報告されたほか、有識者からプレゼンテーション及び質疑応答が行われるとともに、最後のパネルでは欧州委員会議員も出席して意見交換が行われた。
 内容としては、原材料イニシアティブにおいて2010年6月に公表されたクリティカルな原材料14鉱種及びその選定方法について、更なる議論が必要であるとの厳しい意見が、選定から漏れた関係業界を中心に噴出し、事務局が今後決定されるコミュニケ等の対応措置は14鉱種に留まるものではないと弁明するなど、対応に追われる面が数多く見られた。また、質疑等の場では、欧州では電気自動車だけでなく風力発電需要にレアアースを用いることから、再三中国のレアアースの輸出制限枠減少への対応について問題が提起されたが、欧州委員会事務局としては先のWTO提訴による措置を対応策に挙げるなど、中長期的な対応やすれ違い答弁に終始し、短期の対応には踏み込んだ発言は行われなかった。これは、本Workshopが通商問題の担当(貿易総局)ではない企業総局の主催として行われたためであるが、これらには会場から不満の声が多く聞かれた。

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