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チリ:COCHILCOセミナー開催、鉱業省次官、CODELCO総裁、今後の銅鉱業を語る
チリ北部第II州のアントファガスタ市で、2010年9月29日、チリ独立200周年を記念し、チリ銅委員会(COCHILCO)主催の鉱業セミナーが開催され、チリ内外から銅鉱業関係者約250名が参加した。またセミナー後は、CESCOディナーも開催され、主催者によると参加人数は約800人であった。これに先立つ9月28日には、国際銅研究会(ICSG、本部リスボン)の定期会合も、セミナーと同会場で開催され、2日間にわたり、銅産業に関する様々な話題が議論された。
COCHLCOセミナーでは、Pablo Wagner鉱業省次官、Diego Hernandez CODELCO総裁等6人のスピーカーが講演した。今回のセミナーでは、今後チリにおいて、大規模な鉱業投資が必要とされる半面、8月のSan Jose鉱山事故に起因する中小鉱山の保安対策がクローズアップされた。
Wagner次官は、今後チリが必要とする鉱業政策について以下のように述べた。
[1] 投資促進のための政府許認可の迅速化(政府内の横断的連絡体制の拡充)
[2] 証券市場での資金調達拡大
[3] 鉱山保安体制の見直し( SERNAGEOMIN改革、中小企業の保安強化)
[4] 閉山対策の拡充
[5] 探鉱促進(大企業中心の探鉱からジュニアを活用した探鉱の促進)
[6] 鉱業技術サービスの輸出(豪州のように技術サービスを海外に提供し外貨獲得)
[7] 中小企業支援( PAMMA (チリ政府の中小規模鉱山支援近代化計画)、国営ENAMIの活用)
またCODELCOのHelnandez総裁は、今後の世界の銅地金需要についての楽観的な見解をベースに、CODELCOが直面する課題と対策について、以下のように述べた。
[1] 鉱石品位低下と生産コスト増加(鉱石品位は、2020年に2005年の3分の2まで低下し、平均0.65%となる)
[2] 新規投資コストの増加(設備能力あたりで、2006~2009年の5,300 US$/年産能力tから2010年は9,000 US$と増加した)
[3] チリ銅鉱山の競争力の低下(鉱石品位低下、大規模優良プロジェクトの不足)
[4] CODELCOの現状(坑内採掘化、深部化で生産コスト増加。)
また、今後の見通しについては以下のように述べた。
[1] 新たな埋蔵量を確保し、生産量を確保するために継続的投資が必要(2010~2014年は16,000百万US$(160億US$)、国庫からの支援では足りず、市中銀行からの借り入れも必要となる)
[2] CODELCO改革(従業員若返りのための3,000人規模のリストラの推進、副社長2名体制とする経営判断迅速化)
