閉じる

ニュース・フラッシュ

2010年10月5日 サンティアゴ 大野克久

ブラジル:ブラジル政府が鉱業ロイヤルティ引き上げを検討

 2010年9月29日付け一般紙等は政府筋の話として、ブラジル連邦政府は鉱業ロイヤルティ引き上げを検討しており、ロイヤルティの上限は10%未満に抑えられる見込みで、鉄鉱石は現状のロイヤルティ税率2%から引き上げられる一方、中には現行より引き下げられる鉱種もあり得ると伝えている。
 ブラジル政府の鉱業ロイヤルティは、CFEM(Compensacao Financeira pela Exploracao de Recursos Minerais:鉱物資源開発に係る財政補償)と呼ばれ、1988年の新憲法で規定された。
 CFEMは最終生産物販売後の利益に賦課され、その税率は、金1%、鉄鉱石、銅、ニッケル等では2%、カリウム、マンガン、ボーキサイトは3%と鉱種で異なっている。
 2010年3月に辞任したEdison Lobao前鉱山動力大臣は、CFEMは他国の鉱業ロイヤルティと比較し低すぎるとして、今次新鉱業法案審議のタイミングで鉱業ロイヤルティについても見直しを検討していたが、Lobao前鉱山動力大臣とMantega財務大臣との調整が難航し、最終的にLuiz Inácio “Lula” da Silva大統領が見送った経緯がある。
 一方、鉱業界は、ブラジルは世界的に見て税負担が重く、ロイヤルティ引き上げにより国際競争力が阻害されるとして以前より反対を表明している。
 現在のMárcio Zimmerman鉱業大臣によると、新鉱業法案審議は2010年後半、鉱業ロイヤルティ引き上げについては2011年に審議予定とのことである。
 ブラジルでは、10月3日に大統領選が予定され、現時点では、与党(PT)候補のDilma Vana Rousseff女史が優勢とされており、先週はJosé Eduardo Dutra党首が、Rousseff候補は鉱業ロイヤルティ引き上げを考えていないと発言している等、状況は混沌としている。

ページトップへ