閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛 ベースメタル
2010年10月13日 調査部 渡邉美和

中国:銅・アルミ・鉛亜鉛等8種の金属工業の汚染物質排出基準、新規発布

 環境保護部と国家質量監督検験検疫総局は、2010年9月27日、銅・アルミ・鉛亜鉛等8種の金属工業について汚染物質排出基準となる国家環境保護標準を公布した。この標準は2010年10月1日から施行される。これに伴ない、「汚水総合排放標準(GB8978-1996)」「大気汚染物総合排放標準(GB16297-1996)」「工業炉罐大気汚染物排放標準(GB9078-1996)」の関連規定は適用停止となる。
 この「標準」は12の工業について汚染物排出の標準となるもので、その中にアルミ、鉛、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、マグネシウム、チタンの8つの非鉄金属が含まれており、非鉄金属工業企業の生産過程での水汚染物質と大気汚染物質の排出基準と測定及び管理が規定されている。ただし、この標準は再生金属企業及び圧延加工等の企業には適用されない。
 新規公布されたその標準は以下の通り。
[1]鉛、亜鉛工業汚染物質排出標準(中国語綴り「鉛、鋅汚染物排放標準」)GB25466-2010
[2]アルミニウム工業汚染物質排出標準GB25465-2010
[3]銅、ニッケル、コバルト工業汚染物質排出標準GB25467-2010
[4]マグネシウム、チタン工業汚染物質排出標準GB25468-2010
 なお、中国国家標準には、強制性標準(GB)、推薦性標準(GB/T)、指導性標準(GB/Z)があり、今回の標準はいずれも強制性標準であり、「標準」という名前がついているが、日本なら施行令や規則の基準に該当する。
 今回発布された標準は、金属資源レポートVol40 N0.2 (2010.7)で報告した「中国における鉛製錬―環境問題と生産への影響」の中で、「環境保護部や国家発展改革委員会など8つの機関により緊急制定されると伝えられている『重金属汚染総合対策実施法案』が進行中である。当初は2009年内の公布を目指していたが、2010年1月現在、まだ公布のニュースはない。今後の鉛産業に関連する法的規制強化として注目される。一部で伝えられているところによると、鉛及びその化合物の鉱山・製錬及びその加工企業での排水中の最高許容値は、新規建設設備の場合、鉛0.5mg/L、既設置の場合1.0mg/Lとなり、現状の1.0mg/Lより厳しい基準値となる(2009年9月14日「中国鉱業ネット」)が、これでもまだ日本の0.1mg/Lには追い付いていない」として報告していた『重金属汚染総合対策実施法案』の具体化である。

ページトップへ