ニュース・フラッシュ
2010年10月29日
サンティアゴ
神谷夏実
ブラジル:中国企業がブラジル進出
メディア報道によると、ブラジル鉱業協会関係者は、中国はこれまでJVやパートナーシップを形成してブラジルの資源開発に乗り出してきたが、最近では、ブラジルの法規制、税制、環境認可手続き等を調査しており、今後、新規プロジェクト開発に独自に取り組む準備を行っていると語った。中国企業は豊富な外貨準備金を背景に、鉱物資源開発、食料資源開発への投資を増加させようとしている。最近の買収例として、中国武漢鉄鋼(Wisco)のブラジルMMX(鉄鉱石生産)への出資(21.5%)、中国ECEのブラジルItaminas(鉄鉱石、銑鉄生産)などがある。ItaminasはMinas Gerais州のSarzedo鉄鉱石プロジェクトを保有しているが、同プロジェクトの埋蔵量は13億t、現在の生産量は年間3百万tで、将来的には年産25百万tまで増産する計画である。ブラジル鉱業協会によると、中国の鉄鉱石需要は13億t/年であるのに対し、国内生産量は3.5億t/年で、2009年のブラジル産鉄鉱石の中国輸出シェアは56%となっている。また現在のブラジルの鉄鉱石生産3.5億t/年に対し、中国企業の権益は4~5百万t/年程度である。