ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 鉄鉱石
中国:電力制限、非鉄金属業界への波及拡大
第11次五カ年計画の最終年にあたり、特に未達成の地域でGDP当りエネルギー消費率目標の達成のため電力供給制限を伴う生産停止が各地で広がっていることは既報(ニュース・フラッシュNo.36、No.41等)しているが、更に拡大の様相を見せている。
中国現地報道によると、寧夏回族自治区ではNi銑鉄生産の炉が2010年10月22日から次々に停止、10月25日までにすべての同生産が停止とも伝えられている。関係者によれば、同地区での再開は2010年12月20日となる見込み。寧夏回族自治区のNi銑鉄生産企業は全国の9%を占め、1~9月の寧夏地区のNi銑鉄生産量は金属量で7.0千tと推定される。2010年の中国のNi銑鉄生産は金属量で160千tと予想されている。これから推定すると、寧夏回族自治区のNi銑鉄生産量の中国内シェアは金属量で6%となる。寧夏回族自治区の今後の減産量は2.3千tと予想され、中国全体の生産量の1.5%が影響を受けることとなる。
また、安徽省の一部で電力制限が行われ、当該地区の鉛蓄電池産業の生産に影響が出ている模様。ただし、同省内での電力制限の政策は地区により異なり、影響の出方も一様ではない。また、今回の制限は限定的なもので、大きな鉛の需要低下につながるものではないとの見方が強い。電力制限は2010年10月13日に始まり、現時点では11月末まで続くとのことだが、10月の実績如何で11月の措置が決まる予定とのこと。
さらに、河北省でも電力制限により、亜鉛メッキ産業の稼動率低下が報じられている。しかし、同省の亜鉛メッキ業界は9月から既に稼働率が4割まで低下しているとの報道もあり、この措置がいつまで継続するかは不明だが、影響は限定的と見られている。