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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2010年11月5日 バンクーバー 大北博紀

加:カナダ連邦政府、BC州Prosperity金・銅鉱山プロジェクト開発計画を承認

 カナダ連邦政府は、2010年11月2日、BC州の二つの金・銅鉱山プロジェクト案件に対する決定を発表した。
 連邦政府は両プロジェクトの検討にあたり、特に環境への影響を慎重に熟慮した結果、Prince Georgeの北西に位置するMount Milliganプロジェクトを承認する一方、Williams Lakeの南西に位置するProsperityプロジェクトは承認しない決定を下した。
 Jim Prentice環境大臣は「政府は両方のプロジェクトの環境への影響を熟慮した。私達は経済発展と資源管理を両立できると信じている。Mount Milliganプロジェクトは環境への影響が最小限に抑えられるよう計画されている一方で、Prosperityプロジェクトの現在の案は、環境に多大な悪影響を及ぼすと懸念され、妥当とは言えない。」と述べている。
 Prosperityプロジェクトは、BC州政府環境事前調査及び連邦政府のカナダ環境調査条例に基づく調査団による再審査を受けた。連邦政府調査団はProsperityプロジェクトがその地域にあるFish Lake,Little Fish Lake,Fish Creekなどの湖や周辺の水流を汚染すること、それに伴う地域の魚類生息環境の破壊、またその土地に暮らす先住民の伝統文化と権利を奪うものと結論を出した。連邦政府は調査団の結論を受け入れ、今回の決断となった。
 地元紙等によると、Taseko Mines社(本社:Vancouver、以下Taseko社)は、Prosperity金・銅鉱山に8.15億C$を投資する計画を有し、本鉱山の操業により、関連業種を含めると毎年BC州全体で6万人/年の雇用の創出と数十億C$の政府の歳入を生み出すとしており、経済的に低迷しているこの地域の活性化が期待されていた。この決定は既に全ての許可を与えているBC州政府に打撃となった。同プロジェクトの承認を得るため、Taseko社は既に1億C$と17年を費やしていると報じている。
 また、Taseko社は、今回の連邦政府決定により、BC州Cariboo-Chilicotin地域で合計65の雇用が削減されたと発表した。
 Taseko社の最高経営責任者Russell Hallbauerは「Williams Lake地域に雇用を含む経済的利益を提供するため、連邦政府とBC州政府との議論を開始した。」と述べている。

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