ニュース・フラッシュ
2010年11月8日
調査部
渡邉美和
中国:電力制限の影響広がるも、一部で緩和情報も
第11次5カ年計画の最終年にあたり、特に未達成の地域で対GDP省エネ率目標の達成のため電力供給制限を伴う生産停止が各地で広がっていることは既報しているが、影響を報じる情報が続いている。
錫では9月の錫鉱石生産量が前月比16.9%の減少が伝えられている。主に広西省と湖南省で減少幅が大きい。現地紙は電力制限と小規模鉱山の整理再編が行われていることを減少の原因として報じている。
鉛でも、陝西省で鉛製錬企業に対して電力制限が課せられる可能性が浮上したと報じられたほか、11月4日には、中国最大の鉛生産省である河南省で、アルミや既報の亜鉛製錬への影響に加えて、鉛産業への波及の恐れが報じられ、一部の中小製錬所では稼動率が極端に低下している。広西壮族自治区での鉛亜鉛生産企業の稼動率が、10月は50%に満たないとの報道もある。
ところで、11月に入り、電力制限緩和を伝える報道も現われた。11月8日、2010年第3四半期の対GDP省エネ率が4%に下降したことにより、2010年通年での6%を下回る目標に目途がついたと報道されている。この数値で第11次5カ年計画期間を通じて2005年比20%減少の達成見通しがついたとのこと、現在各地で実施されている電力制限という突発措置の収拾にも目途がついたとされている。だが同時に、今後とも厳重な管理を行う必要があり、でなければ、過度な緩和が目標の未達成を引き起こす恐れがあるとも報道されている。
