閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム レアメタル
2010年11月16日 サンティアゴ 大野克久

チリ:ECLAC主催の南米におけるリチウムの持続可能な開発に係るセミナー開催

 2010年11月10日及び11日の両日、ECLAC本部(Economic Commission for Latin America and the Caribbean :ラテンアメリカ・カリブ経済委員会、本部サンティアゴ)で韓国エネルギー経済研究所(KEEI)、韓国エネルギー管理公団(KEMCO)共催による「南米におけるリチウムの持続可能な開発に係るセミナー」が開催された(政府関係者及びオブザーバー合わせ約50名参加)。
 本セミナーでは、Pabro Wagnerチリ鉱業次官の基調講演後、ボリビア、チリ、メキシコにおけるリチウムの法制度や取り組みの他(アルゼンチンは欠席)、 SQMの持続可能な開発に向けた取り組み事例紹介、Chemetallによる今後のリチウム需要やリサイクル見込み等、リチウム資源の現状及び今後の需要、持続可能な在り方等包括的な内容について講演が為された。
 Pabro Wagnerチリ鉱業次官の基調講演では、鉱業法の枠内でリチウム探査・開発が実施できるようチリ政府部内で検討中であることや、リチウム研究開発や新規市場開拓分野への政府の積極的関与についての他、鉱物資源分野における現在の主要株式市場はカナダであるが、チリ、ペルー及びメキシコも注目されていることから、チリの株式市場も多様化して行きたい旨発言があった。
 また、ボリビア鉱業冶金省Beltran局長、Luis Echazú COMIBOL総裁の講演では、2011年から炭酸リチウム40 t/月、塩化カリウム1,000 t/月を生産予定(投資額17百万US$)であるとの発表があった。
 更にLG Chemicalから2020年の炭酸リチウム需要は320千t/年(バッテリー需要のみで125千t/年程度)、Chemetallから2020年の自動車生産台数を72百万台(中国7.4%/年、インド6.6%/年増)、2020年のEV、PHEV及びHEVの市場普及率を7,000千台とすると、炭酸リチウム需要は120千~150千tであるが、2030年のリチウムリサイクル資源供給は30千t程度であろうとの見込みを発表した。

ページトップへ