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ニュース・フラッシュ

2010年11月26日 ロンドン フレンチ香織

ノルウェー:2010年、投資環境を改善

 ノルウェー政府は2010年、鉱業の活性化に注目して投資環境を改善した。ノルウェー地質調査所が紹介した英鉱業誌の記事によれば、以下の改革が見られた。
・2010年1月1日に新鉱業法を施行。従来の鉱物及び鉱業活動に関する5つの法律が整合化・簡素化された。旧鉱業法との主な違いは、[1]鉱物の保有者(黄鉄鉱及び磁硫鉄鉱中のチタン、ヒ素、硫黄や比重5.0以上の鉱物は国有、工業用鉱物は土地所有者が保有)、[2]申請可能な1探鉱鉱区当たりの面積の拡大、[3]最初3年間の(探鉱)鉱区料の値下げ等が挙げられる。
・政府によれば、EUの原材料イニシアティブ(Raw Materials Initiative)により、ノルウェーを含む多数の国が、『EU圏内からの資源供給の強化』のアジェンダに基づく鉱物資源政策を支持している。このことからも、政府は2010年10月、同国北部の広域物理探査への追加支援を提案。2011年の国家予算には、ノルウェー地質調査所に対して、25百万NK(4百万US$)の追加補助金が含まれている。なお、2014年まで毎年、同等の予算が見込まれている。
 同誌によれば、2010年1月~9月の同国における探鉱鉱区申請は前年比25%増。探鉱申請の約50%がノルウェーを拠点とする企業からの申請で、約60%は北緯65°より北部のプロジェクトであった。金価格の高騰が理由で金探鉱が活発化しているが、地元企業のIntex Resources社は欧州最大のNordliモリブデンプロジェクトを進行し、Nordic Mining社は、同国西部にてEngebøfjellet鉱床でチタンの探鉱を行っている。また、1953~63年に一部でニオブを生産していたオスロ南西のNeoproterozoic Fen carbonatiteの他多くの地域で探鉱権が設定され、Oslo Palaeoriftには、レアアース、ニオブ、トリウム、ジルコニウムなどのポテンシャルが期待されているアルカリから超アルカリ性の深成岩及び火山岩が確認されている。同国の鉱山活動も活発化しつつあり、2010年8月にはSydvaranger鉄鉱石鉱山が公式に再開している。また、Titania社は欧州に2鉱山しか存在しないチタン鉱山の1つTellenesチタン鉱山で操業を継続している。

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