閉じる

ニュース・フラッシュ

2011年1月10日 バンクーバー 片山弘行

加:Vale、Voisey’s Bay鉱山労働者との労働協議再開するも不調

 カナダ・ニューファンドランド-ラブラドル州でVoisey’s Bayニッケル-銅-コバルト鉱山を操業しているVale Newfoundland and Labrador Ltd.(以下、Vale)は、2009年8月1日からストライキを継続している鉄鋼労働組合(United Steelworkers、以下USW)第9508支部加盟の労働者(全従業員約180名のうち約120名が加盟)と州政府指名の調停者立会いの下、2011年1月5日に雇用契約に関する協議を再開したが、1月6日、協議は物別れに終わったことを明らかにした。
 両当事者による労働協議は、州政府設置のVoisey’s Bay労働調査委員会(Voisey’s Bay Industrial Inquiry Commission)により2010年12月23日に州政府に提出された第一次調査報告書に対して、1月中旬までに何らかの回答が求められていることから再開されたものであり、前回2010年10月に協議されて以来2か月ぶりのものであった。
 今回物別れに終わった協議に関してValeは、USWが要求していた賃上げ額より大きな額を提示していたにもかかわらず、雇用契約の期限に関して両者の折り合いがつかなかったことを明らかにした。具体的には、Sudbury鉱山の労働者と歩調を合わせるためにSudburyでの雇用契約と期限を一致させることで、より大きな交渉力を得たい労働者側と、Sudburyとは交渉を別にしたいVale側の隔たりが埋められなかったとのことである。また、Valeは調査委員会の報告書は不十分な分析に基づくものであるとの声明を発表している。一方で、USWは1月6日付けニュースリリースでValeの態度に落胆の意を表明している。
 Voisey’s Bay労働調査委員会は、本件に関する最終報告書を2011年2月25日までに提出することとし、それを受けて州政府は、委員会の裁定に従うよう両者に勧告するか、仲裁に持ち込むかを決定することとなる。

ページトップへ