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加:Mary Riverプロジェクトなど鉄鉱石を巡る買収合戦が過熱
2011年1月12日付け報道によると、加・NV準州Baffin島に世界最大級と言われる鉄鉱床であるMary Riverプロジェクトを保有するBaffinland Iron Mines Corp.(本社:加・Toronto)(以下、Baffinland社)を巡って2010年9月から繰り広げられていた買収合戦に、新たに中国企業が加わる可能性が出てきたことが明らかとなった。
Baffinland社を巡る買収は、2010年9月22日にIron Ore Holdings,Ltd.の100%子会社であるNunavut Iron Ore Acquisition Inc.(以下、Nunavut社)が普通株式1株当たり0.8 C$による敵対的買収提案を行ったことから始まった(当時のBaffinland社直近20日間の平均株価は0.4 C$、発行済み株式総数約343百万株)。その提案はBaffinland社により拒否され、その後11月12日にArcelorMittalがホワイトナイトとして登場、普通株式1株当たり1.1 C$、2007年ワラントを1ワラントあたり0.1 C$で買収する対抗提案を行っている。その後、両者間で買収価格の競り合いが行われ、2011年1月10日にNunavut社により提案された買収価格は1株当たり1.45 C$まで上昇していた。
中国の国土資源部高官は、Vale及びBHP、Rio Tintoによる鉄鉱石市場の寡占状態を打破するためにも、中国企業がこの買収に参画する必要があることを述べている。
また、1月14日、ArelorMittalとNunavut社は競合関係を解消し、Baffinland社株式1株当たり1.5 C$で完全買収する共同提案を行い、Baffinland社は1月17日付けプレスリリースにて株主に対し同提案を受け入れるよう推薦している。
Mary Riverプロジェクトは、NV準州Baffin島北部に位置し、現時点での開発対象であるNo.1鉱体の可採鉱量(確定+推定)は365 mt、Fe平均品位64.7%である。また、他鉱体も含めた追加資源量(精測+概測+予測)は500 mtを超えると言われている。露天採掘により年産18 mt、マインライフ21年、2014年からの生産開始を目指している。
また、2011年1月11日には、Cliffs Natural Resources Inc.(本社:米・クリーブランド)(以下、Cliff社)が、Consolidated Thompson Iron Mines Ltd.(本社:加・モントリオール)(以下、Thompson社)を普通株式1株当たり17.25 C$、もしくは総額49.5億C$による買収を行うための包括契約をThompson社と締結したことを明らかにした(Thompson社直近20日間の平均株価は13.22 C$、発行済み株式総数約234.9百万株)。
Thompson社は、加QC州にBloom Lake鉄鉱山及びLamêlée-Peppler鉄プロジェクトを保有している。Bloom Lake鉄鉱山はQC州とNF州の州境近くに位置し、2010年4月に操業開始、推定資源量640 mt、Fe平均品位29.76%、年産8 mt(2012年から年産16 mt)、マインライフ30年の鉄鉱山である。Lamêlée-Peppler鉄プロジェクトは、Bloom Lake鉄鉱山近くに位置し、推定資源量935 mt、平均品位29.72% Fe、2009年8月にNI43-101準拠のスコーピング・スタディ・レポートが完成している。