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ニュース・フラッシュ

2011年1月17日 ジャカルタ 高橋健一

インドネシア:天然林・泥炭地開発モラトリアムに関する大統領令の発効遅れる

 2011年1月1日より実施予定となっていたインドネシア国内における天然林・泥炭地開発に係るモラトリアムに関し、その実行の法的根拠となる大統領令の公布が遅れている、と地元紙等が報じた。このモラトリアムは、2010年5月にノルウェー政府との2国間において基本合意した温室効果ガス削減に向けた協定に基づき、最低2年間、天然林・泥炭地開発の新規開発等を禁止するものである。また、その実施に対しては、REDD+(森林減少・劣化を保護するための温室効果ガス排出削減+)スキームの下、ノルウェー政府からインドネシア政府に10億US$の支援金が支払われる。
 地元紙が入手した情報では、現在、森林省が策定した案とREDD+タスク・フォースからの案、計2つの案が最終的な大統領令案として検討されている模様である。森林省案は、単にノルウェー政府との合意内容を反映させたもので、2011年1月1日から2年間に限定し、対象となる森林区域において新たな用途変更許可は認めないものとなっている。これに対しREDD+タスク・フォース案は、無期限で鉱業活動を含む伐採を伴う如何なる活動の許可も認めないといった、より厳しい規制を含む内容となっている。このような状況の中、大統領令の公布が遅延していることに加え、今後発効される大統領令の内容によっては鉱業活動が大きく影響を受けることも予想されるため、鉱業関係者の間では大きな懸念が示されている。

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